【授業実況】2025/04/19 mol計算の基礎と入試演習|物質量・気体の体積・分子量【高校化学】
この記事を読んでわかること
- モルから質量・個数・体積への変換方法
- 気体のモル体積を使った体積計算
- 分子量を用いた固体のモル計算
- 燃焼反応に基づく生成物の物質量計算
- 入試頻出の混合気体の計算手法
導入
要約:物質量の換算と入試頻出の気体計算を整理しました。
「mol計算の変換がごちゃごちゃして迷う…」そんな経験はありませんか。
今回の記事では、質量・個数・体積をモルに変換する方法を確認し、さらに実際の入試問題を通して応用力を養います。
授業で扱った問題と解説を整理し、入試本番で自信を持って計算できるようにします。
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mol計算の基本
まずはmolと各量の関係を確認します。
- 個数からmol:個数 ÷ アボガドロ定数(6.0×1023)
- molから質量:物質量 × モル質量(g/mol)
- 気体の体積:標準状態で1 mol=22.4 L
💡ヒント:分数の形のまま計算すると、誤差やミスを防ぎやすいです。
基本問題の演習
📘 リチウムの質量計算
原子量6.9を用い、3.0×1024個の原子の質量を求めます。
3.0×1024 ÷ (6.0×1023)= 5.0 mol
→ 5.0 × 6.9 = 35 g
📘 ダイヤモンドの個数計算
18 gの炭素(原子量12)をmolに変換。
18 ÷ 12 = 1.5 mol
→ 1.5 × 6.0×1023 = 9.0×1023個
📘 ヨウ素(I2)の分子数
分子量=127×2=254
356 g ÷ 254 = 1.4 mol
→ 1.4 × 6.0×1023 = 8.4×1023個
燃焼反応の応用
図2:燃焼反応の整理(炭素・水素の数合わせ)📘 エタノールの燃焼
C2H5OHの完全燃焼では水生成のモル比を確認。
C2H5OH + 3O2 → 2CO2 + 3H2O
0.50 molのエタノールから水は1.5 mol生成します。
📘 ベンゼンの燃焼
C6H6 + 15/2 O2 → 6CO2 + 3H2O
31.2 gのベンゼンは31.2 ÷ 78=0.40 mol
→ CO2は0.40×6=2.4 mol
→ 体積=2.4×22.4=54 L
入試演習:混合気体の組成
明治薬科大学の入試問題を題材にしました。
二酸化炭素と酸素の混合気体から密度をもとに組成を計算します。
標準状態で1 mol=22.4 Lを利用し、連立方程式を立てると、
結果はCO2 : O2 = 1 : 1 となります。
💡ヒント:混合気体問題では「全体のモル数=体積比」に注目すると整理しやすいです。
今日の学び × 思考のヒント
- モル変換は「個数→mol→質量・体積」とワンパターンで整理
- 燃焼式は「CとHの個数をそろえる」ことを優先
- 混合気体では「モル比=体積比」を活用
演習問題
標準状態で44.8 Lの酸素分子(O2)の物質量と質量を求めよ。
炭素24 gを完全燃焼させたとき、二酸化炭素の体積(標準状態)を求めよ。
酢酸CH3COOH 12.0 gを完全燃焼させると、水は何mol生じるか。
まとめ
本日の授業では、mol計算の基本から入試応用まで扱いました。
質量・個数・体積を自由に変換できることが、化学計算の基礎力です。
演習を通じて「同じ型にはめる」感覚を養えば、入試本番でも落ち着いて解けます。
次回は酸と塩基の反応に進み、pHや中和計算を扱う予定です。
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