この記事を読んでわかること
- 蒸気圧と温度の関係を理解できる
- 入試頻出の蒸気圧問題の攻略法
- エステル構造式の導出手順を説明できる
- 油脂と石けんの基本的性質を理解
- 計算のつまずきやすい点を回避できる
導入
要約:蒸気圧と有機化学の基礎をつなげて理解する。
「蒸気圧の計算が苦手」「エステルの構造が書けない」──こうした不安は受験生によくあります。本記事では、蒸気圧の典型問題と、エステル・油脂・石けんの性質を整理し、入試で得点につなげるポイントを解説します。
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蒸気圧と入試での位置づけ
蒸気圧の問題は、講師の言葉を借りれば「解けたら受かる問題」に分類されます。つまり、差がつくテーマです。
蒸気圧は温度が下がると小さくなる性質をもちます。水の場合も同じで、蒸気圧が小さくなれば沸点との関係も変わります。
💡今日の学びのヒント
・蒸気圧は「温度」とセットで考える
・分子間力が強いほど蒸気圧は低い
・計算問題では単位(Pa, atm など)の変換に注意
小テストから学ぶ基礎問題
小テストでは「分子間力」や「蒸気圧と温度」の基本が問われました。
例:
- ファンデルワールス力は最も弱い分子間力
- 温度が下がると蒸気圧も下がる
これらは「解けなければ落ちる問題」として扱われます。基礎事項を確実にしてから応用問題へ進むことが重要です。
エステル構造式の導出
問題では C4H8O2 の分子式からエステル構造を考えました。
手順は以下の通りです。
- COO 基(エステル結合)を必ず含むことを前提にする
- 左側にカルボン酸部分、右側にアルコール部分を配置
- 炭素数の配分を 0,1,2 など場合分けする
この「場合分け」がパズル的で、有機化学の面白さです。
💡思考のヒント
* アルコール側は炭素 1 個以上が必須
* カルボン酸部分は炭素 0 個でも成り立つ
油脂と石けんの性質
油脂は「グリセリンと高級脂肪酸のエステル結合」で構成されます。
一方、石けんは油脂をアルカリで加水分解することで得られる塩です。
これらの性質を理解することで、脂質の問題や環境問題(生分解性など)への応用も見えてきます。
演習問題
📘 問題1(蒸気圧)
25 ℃で水の蒸気圧が 3.17 kPa、50 ℃で 12.3 kPa である。温度上昇に伴う蒸気圧変化の理由を説明せよ。
解答
温度が上がると分子の運動エネルギーが大きくなり、液体表面から飛び出す分子が増える。そのため蒸気圧が上昇する。
📘 問題2(エステル構造)
分子式 C4H8O2 の化合物のうち、エステルの構造を 2 種類示せ。
解答例
CH3COOCH2CH3(酢酸エチル)
HCOOCH2CH2CH3(プロピルギ酸エステル)
まとめ
蒸気圧は「温度と分子間力」で決まる性質です。入試では差がつく分野なので、基本の考え方を確実に押さえましょう。
エステルの構造導出は場合分けの練習が有効です。油脂や石けんの理解につなげれば、有機化学全体の流れが見えてきます。
苦手意識を持ちやすいテーマですが、計算・構造・性質を整理すれば得点源になります。
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