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【授業実況】2025/08/30 セルロースと再生繊維|レーヨンの製造と性質【高校化学】

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目次
  • セルロースの構造と化学的性質
  • セルロースが還元性を示さない理由
  • ニトロセルロースの生成反応を理解
  • 再生繊維レーヨンの製造方法を説明できる
  • 銅アンモニア法とビスコース法の違いを把握

要約:セルロースは熱水に溶けず、レーヨンに再生される。


読んだ後に学びがあったと感じた方は、♡をタップしていただけると嬉しいです。

※本ナレーションはAIによるプロ声優の音声を使用しています。
一部の化学用語に誤読が含まれることがありますが、ご了承ください。
今後、全編を最適化した高品質ナレーションをAudible版として公開予定です。

📘 導入

「セルロースって紙や綿の主成分だけど、入試ではどこを押さえればいいの?」そんな疑問に答えるのが今回のテーマです。セルロースの性質からニトロセルロースの火薬、さらに再生繊維レーヨンの製造法までを整理し、試験で迷わない知識にまとめます。

📘 セルロースの基本と性質

セルロースは植物細胞壁の主成分であり、綿花や木材に多く含まれる天然高分子です。分子式は (C6H10O5)n で、多数のβ-グルコースが β-1,4-グリコシド結合で連なった直鎖状構造をもっています。

  • 熱水や有機溶媒に不溶
  • ヨウ素デンプン反応を示さない
  • 還元性を示さない

これは、セルロースがアルデヒド基を持たないためです。デンプンとの違いは、入試でも狙われるポイントです。

💡思考のヒント

💡ヒント:
「セルロースは直鎖構造・水素結合で強固」という視点で、溶解性や性質を関連づけると整理しやすいです。

📘 ニトロセルロースの生成

セルロースを濃硝酸と濃硫酸の混酸に処理すると、ニトロセルロース(硝化綿)が得られます。これは火薬やセルロイドとして利用される重要な誘導体です。

図2:ニトロセルロース生成反応(硝化による置換) セルロース(-OH基を多数含む) 濃HNO₃ / 濃H₂SO₄ ニトロセルロース(-ONO₂基に置換)
図2:ニトロセルロース生成反応(硝化で爆発性をもつ誘導体に変化)

反応のイメージ:セルロースの –OH 基に –NO2 が導入される。
この置換によって発火性を持つ物質に変化します。

📘 再生繊維レーヨン

セルロースをいったん溶かし、繊維として再生したものを再生繊維といい、その代表例がレーヨンです。

図3:レーヨンの製造フロー(銅アンモニア法とビスコース法) セルロース 銅アンモニア溶液 希硫酸に押し出し → 再生セルロース繊維(キュプラ) 二硫化炭素+NaOH → セルロースキサントゲン酸 酸処理 → 再生セルロース繊維(ビスコースレーヨン)
図3:レーヨンの製造フロー(2つの方法を比較して理解)

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高校化学が苦手でも「原子からモル計算」まで基礎を整理したい人へ

📘 レーヨンの製造法

  1. 銅アンモニア法(キュプラ)
    溶媒:シュバイツァー試薬 [Cu(NH3)4]2+(深青色)
    セルロースを溶かし、希硫酸中に押し出して再生。
  2. ビスコース法
    セルロースを二硫化炭素と反応させてセルロースキサントゲン酸エステルに変え、水酸化ナトリウム水溶液に溶解。
    紡糸後に酸処理してセルロースを再生。

レーヨンは光沢が美しく、吸湿性が高いため、衣料用繊維として利用されます。

📘 💡今日の学び×思考のヒント

  1. セルロースとデンプンの違いは「結合の種類」と「反応性」
  2. ニトロセルロースは「置換基導入」で爆発性物質に変わる
  3. レーヨンは「天然由来だが人工的に再生された繊維」

📘 演習問題

問題1
セルロースの構造単位を答えよ。また還元性を示さない理由を説明せよ。


解答
単位はβ-グルコース。β-1,4-結合でつながるため、末端以外にアルデヒド基をもたず、還元性を示さない。

問題2
ニトロセルロースの生成反応を化学式で表せ。


解答
セルロース –OH + HONO2 → –ONO2 + H2O
(触媒:濃H2SO4

問題3
銅アンモニアレーヨンとビスコースレーヨンの違いを説明せよ。


解答
銅アンモニアレーヨン:シュバイツァー試薬に溶かして再生。
ビスコースレーヨン:セルロースキサントゲン酸エステルを経由して再生。

📘 まとめ

セルロースは天然高分子の代表で、紙・木綿の主成分です。その性質(不溶・非還元性)は入試頻出ポイント。さらに硝化によりニトロセルロースが得られ、再生処理でレーヨンが作られます。銅アンモニア法とビスコース法の違いを整理しておくことが重要です。


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📘 理論化学を「しくみ」で学びたい方へ

※この記事のテーマ(セルロースと再生繊維)は理論化学の土台の上に成り立っています。
 理論化学の土台は、電子書籍『一問一答 理論化学1|原子の構造、化学結合、物質量と化学反応式』で学べます。化学のしくみをしっかり理解したい方は、ぜひ本書をご覧ください。

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