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【授業実況】2025/09/01 アンモニアソーダ法と炭酸ナトリウム製造|入試頻出の反応原理と計算演習

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目次
  • アンモニアソーダ法の全体の流れを理解
  • 炭酸ナトリウム製造の反応式を説明できる
  • 入試頻出の計算問題に自力で取り組める
  • 近似や時間配分の考え方を身につけられる
  • 誤りやすい解答の癖を回避できる

要約:アンモニアソーダ法は「NH₃を用いた炭酸ナトリウム製法」です。


読んだ後に学びがあったと感じた方は、♡をタップしていただけると嬉しいです。

※本ナレーションはAIによるプロ声優の音声を使用しています。
一部の化学用語に誤読が含まれることがありますが、ご了承ください。
今後、全編を最適化した高品質ナレーションをAudible版として公開予定です。

📘 導入:よくある誤解を整理

「反応式が多すぎて覚えられない…」
「結局どの物質がスタートで、どれがゴールなの?」

そんな疑問は本記事で解決します。入試頻出のアンモニアソーダ法を、原理から順に追えば必ず整理できます。

📘 アンモニアソーダ法の概要

アンモニアソーダ法(ソルベー法)は、安価で豊富な原料(CaCO₃とNaCl)からNa₂CO₃を工業的に得る方法です。

  • スタート:石灰石(CaCO₃)、食塩(NaCl)
  • ゴール:炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)
図1:アンモニアソーダ法の反応工程図 原料と生成物の流れ CaCO₃ → CaO → Ca(OH)₂ → NH₃再生 NaCl → NaHCO₃ → Na₂CO₃(目的物) Na₂CO₃(炭酸ナトリウム)
図1:アンモニアソーダ法の反応工程(全体像の整理)

📘 反応の全体像と部分反応



高校化学が苦手でも「原子からモル計算」まで基礎を整理したい人へ

📘 入試演習:計算問題に挑戦

例題(共通テスト改題)

NaCl 58.5 kgをすべて反応させてNa₂CO₃とCaCl₂を生成するとき、最小限必要なCaCO₃の質量は何kgか。

📘 解法のステップ

図2:アンモニアソーダ法の計算手順(モル比から質量へ) 計算の流れ ① 反応式:2NaCl + CaCO₃ → Na₂CO₃ + CaCl₂ ② モル計算:NaCl 1000 mol → CaCO₃ 500 mol ③ 質量計算:500 mol × 100 g = 50.0 kg 最小限必要なCaCO₃ = 50.0 kg
図2:アンモニアソーダ法の計算演習(モル比と質量換算)
  1. 反応の総式を立てる:
    2NaCl + CaCO₃ → Na₂CO₃ + CaCl₂
  2. モル計算:
    NaCl:58.5 kg ÷ 58.5 g/mol = 1000 mol
    反応比:NaCl 2 mol : CaCO₃ 1 mol → CaCO₃必要量 = 500 mol
  3. 質量換算:
    500 mol × 100 g/mol = 50.0 kg

答え:50.0 kg

💡今日の学び×思考のヒント

💡ヒント:
* 答えを写すだけでなく必ず自分で再現する
* スタート物質とゴール物質を意識すると整理しやすい
* 時間配分:入試では15分かける問題を10分以内で解く練習が必要

📘 まとめ

アンモニアソーダ法は、

  • 「安価な原料から炭酸ナトリウムを得る工業的製法」
  • 「部分反応を積み重ねて全体像を理解する」

ことが重要です。計算問題では、反応式のモル比を正しく設定することで、素早く確実に解答にたどり着けます。

📘 演習問題②:有機化学とつなげる(応用)

問題
アンモニアソーダ法で得られるNa₂CO₃水溶液を用いて、酢酸(CH₃COOH)を中和した。酢酸100 mL(濃度1.0 mol/L)を完全に中和するのに必要なNa₂CO₃水溶液の物質量を求めよ。

解法
反応式:Na₂CO₃ + 2CH₃COOH → 2CH₃COONa + H₂O + CO₂

  • 酢酸:0.100 L × 1.0 mol/L = 0.100 mol
  • 反応比:CH₃COOH 2 mol : Na₂CO₃ 1 mol → 必要なNa₂CO₃ = 0.050 mol

答え:0.050 mol

💡ポイント:有機化学の酸(カルボン酸)もNa₂CO₃で中和できる。炭酸ガス発生を伴うため、滴定実験での指示薬選択が重要。

📘 演習問題③:よくある誤答パターン

問題
アンモニアソーダ法において、次の誤答を訂正せよ。

「CaCO₃ + 2NaCl → Na₂CO₃ + CaCl₂」

解説
この式は一見正しそうだが実際には直接進行しない。CaCO₃は水に難溶であり、NaClとの直接反応は起きにくい。

正しい全体式は:2NaCl + CaCO₃ → Na₂CO₃ + CaCl₂
ただしこれは石灰炉や蒸留塔を経た総合結果である。

💡誤答の背景:原料と生成物を直結して短絡的に式を書くことが原因。部分反応を経ることを意識して修正する必要がある。



📘 理論化学を「しくみ」で学びたい方へ

※この記事のテーマ(アンモニアソーダ法と炭酸ナトリウム製造)は理論化学の土台の上に成り立っています。
 理論化学の土台は、電子書籍『一問一答 理論化学1|原子の構造、化学結合、物質量と化学反応式』で学べます。化学のしくみをしっかり理解したい方は、ぜひ本書をご覧ください。

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