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合成ゴムの計算問題のコツ

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――SBR(スチレン・ブタジエンゴム)を「解ける問題」と見抜く力

スチレン・ブタジエンゴム(SBR)の分子モデル
出典:Wikimedia Commons
File: Styrene-butadiene_chain2.png
License: CC BY-SA 4.0

合成ゴムに関する計算問題は、見た目ほど複雑ではありません。
しかし、**「この問題は処理できるかどうか」**を瞬時に判断できるかどうかで、結果は大きく分かれます。

入試本番では、すべての問題に時間をかけることはできません。
問題文を見た瞬間に、

  • 知っている話題か
  • 使う計算の型が頭に浮かぶか

を見抜く必要があります。

その判断力が問われる代表例が、合成ゴムSBRの計算問題です。


目次

SBRという略称を見た瞬間に判断できるか

SBRは、スチレン・ブタジエンゴムの略称です。
この略称を見て、合成ゴムの計算問題だとすぐ判断できるかどうかが最初の分岐点になります。

問題文には、

  • ゴムの木から得られる乳白色の粘性のある樹液
  • それに処理を加えて得られる天然ゴム

といった記述が含まれます。
これらは知識確認としては基本事項です。

しかし、設問の中心はその先にあります。
計算に入れるか、撤退するかを決める材料は、略称と構造理解です。


合成ゴムの計算で前提になる数値

SBRの計算問題では、いくつかの数値を即座に扱います。

特に重要になるのが、次の点です。

  • 臭素(Br₂)の分子量は 160
  • 臭素に関する数値として 254 が出てくる場合もある

これらの数値は、覚えていなければ解けないわけではありません。
ただし、入試の制限時間を考えると、すぐに使えるかどうかが重要になります。

数値確認に時間がかかると、それだけで処理が遅れます。


二重結合と付加反応の整理が軸になる

この問題で使われる反応は、二重結合への付加反応です。

押さえるべき対応関係は明確です。

  • 臭素分子1分子は、二重結合1つに付加する

ここが曖昧なまま計算に入ると、途中で立式が崩れます。
逆に言えば、この関係を正確に押さえれば、計算は一本道になります。


単位構造の分子量をどう扱うか

SBRは、2種類の単位構造からできています。

  • スチレン由来の単位構造:分子量 104
  • ブタジエン由来の単位構造:分子量 54

設問では、
「スチレン由来の単位構造と、ブタジエン由来の単位構造の物質量比」
が問われます。

ここで、ブタジエン由来の単位構造の個数を X と置くことで、構造全体を整理します。


なぜ臭素分子は「NX個」になるのか

つまずきやすいのは、ここです。

  • ブタジエン由来の単位構造には二重結合が含まれる
  • その単位構造が X個 繰り返されている
  • 二重結合1つにつき、臭素分子1分子が必要

この対応を一つずつ追うと、
必要な臭素分子の物質量が NX に比例することが見えてきます。

「二重結合がどこにあるか」
「それが何回繰り返されているか」

この2点を飛ばさずに整理することが重要です。


計算結果がきれいになる理由

実際に計算を進めると、
この問題では X = 4 という、きれいな値に落ち着きます。

これは偶然ではありません。
入試問題は、正しく立式できたかどうかが結果に反映されるように作られています

途中の対応関係を取り違えると、極端に扱いづらい値になります。
それ自体が、ミスに気づくためのサインになります。


「解けない」と判断することも戦略になる

入試では、すべての問題を完璧に解く必要はありません。

  • 知らない話題に見える
  • 構造がすぐに浮かばない

その場合、無理に粘ると時間だけを失います。

合成ゴムの問題は、

  • 知っていれば短時間で処理できる
  • 知らなければ時間を消費しやすい

という性質を持っています。

だからこそ、SBRという略称を見た瞬間の判断が重要になります。


ノーベル化学賞のニュース

ノーベル化学賞に関するニュース映像がありました。
話題になっているのは、多孔性材料の研究です。

この材料は、

  • 金属イオンと有機分子を組み合わせる
  • 目的の分子に合わせて穴の大きさを設計できる

という特徴を持っています。

身近な例として、活性炭が挙げられます。
ただし、活性炭の穴は大きさがばらばらです。

それに対して、多孔性材料は均一な構造を持ちます。


新しい話題と入試問題の距離感

このような新しい研究成果が、そのまま入試に出題されるとは限りません。
しかし、入試問題では、

  • 最近話題になった内容
  • ニュースで目にしたテーマ

が、背景として使われることがあります。

重要なのは、
教科書の範囲で理解できるかどうかです。


結晶格子の復習が示される理由

多孔性材料の話題から、結晶格子の話につながります。

結晶格子の中でも、

  • 原子の詰まり方
  • 隙間の立体構造

は、昔から難問が作られやすい分野です。

特に「隙間」に関する問題は、理解が追いつかないまま計算に入ると混乱します。


入試問題は「読めばわかる」範囲で作られる

大学入試では、
読んでも理解できない内容を出題することはできません。

新しい話題が使われる場合でも、

  • 既存の化学結合
  • 結晶格子
  • 基本的な計算処理

といった知識の延長で処理できる形になります。

だからこそ、
構造・対応関係・計算の型を持っているかどうかが問われます。


まとめ

  • SBRの問題は、判断の速さが得点を左右する
  • 計算そのものより、構造整理が重要
  • 数値と対応関係を押さえれば、処理は一本道になる
  • 新しい話題も、教科書知識の延長で扱われる

合成ゴムの計算問題は、
計算力ではなく、問題を見抜く力を試しています。


※本記事は、授業中の発話内容(文字起こし)のみを再構成して作成しています。

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