【授業実況】2025/05/10 油脂と石鹸の性質と計算問題【高校化学・入試頻出】
この記事を読んでわかること
- 油脂の構造とけん化反応の理解
- 飽和脂肪酸ナトリウム塩の計算方法
- けん化価とKOH量の求め方
- 誤りやすい計算過程の注意点
- 石鹸と入試問題の出題パターン
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導入
要約:油脂はけん化反応により石鹸を生じる。
「油脂と石鹸は暗記で済む」と思って計算を軽視すると、入試で大きな失点につながります。けん化価や分子量の計算は、仕組みを押さえてしまえばスムーズに解ける基本問題です。この記事では、油脂の性質と石鹸生成の計算を例題付きで整理します。
油脂と石鹸の基礎
油脂はカルボン酸のトリグリセリドであり、加水分解すると脂肪酸とグリセリンを生じます。強塩基(水酸化ナトリウムや水酸化カリウム)で加水分解する反応をけん化反応と呼び、生成物の脂肪酸塩が石鹸です。
けん化価とは?
けん化価とは、油脂1 gを完全にけん化するのに必要なKOHのmg数です。油脂の分子量と脂肪酸残基数に依存します。
飽和脂肪酸ナトリウム塩の計算例
例題では、分子量を「M+67」とおき、物質量を立式して解く方法を確認しました。
💡ヒント:
・脂肪酸の一般式は CnH2n+1COOH。
・ナトリウム塩にすると CnH2n+1COONa。
・炭素・水素・ナトリウムの原子量を正しく代入することが鍵です。
💡今日の学び×思考のヒント
けん化価は「必要なKOH量」で定義される。分子量を考えることで計算可能。
飽和脂肪酸の一般式をCnH2n+1で押さえておくと速く解ける。
誤りやすいのは「原子量の代入」と「mol比の扱い」。
演習問題
📘 問題1(基本)
油脂 1.00 g をけん化するのに必要なKOHが 0.280 g であった。この油脂のけん化価を求めよ。
📘 問題2(入試標準)
ある飽和脂肪酸ナトリウム塩の分子量を求める。次の条件から計算せよ。
・分子式を CnH2n+1COONa とする
・計算より M=43 が得られた
まとめ
油脂と石鹸の単元では、けん化価や脂肪酸塩の分子量計算が頻出です。構造式やmol比を確実に立てられるかが合否の分かれ目です。暗記ではなく、反応式と定義をもとに「なぜその値になるか」を理解して学習すると、入試で迷わず解答できます。
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