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反応速度と半減期が「スッと解けるようになる」コツ

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――3倍則と炭素14で、指数(べき)を味方につける

図:反応速度の一般的な推移
出典:Wikimedia Commons
作者:Lumen Learning
ライセンス:CC BY 4.0
URL:
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rate-of-chemical-reactions.svghttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rate-of-chemical-reactions.svg

反応速度や半減期の問題は、知識量よりも**「同じ増え方・減り方が何回起きたか」**を数えられるかどうかで安定します。
ここを押さえると、頭の中で無理に処理しなくても、手順どおりに答えにたどり着けます。

ポイントは3つです。

  • 「3倍」が何回起きたかを、温度差から確定する
  • 「半分」が何回起きたかを、割合から確定する
  • “定数”と“濃度”の役割を分けて、混ぜない

目次

1. まず見抜く:これは「指数の問題」です

反応速度・半減期でよくある条件は、見た目は違っても中身は同じです。

  • 一定の割合で増える(例:10℃上がるごとに3倍)
  • 一定の割合で減る(例:半減期=半分になる)

どちらも本質は、**「同じ倍率が何回くり返されたか」**を数えることです。
この“回数”が決まれば、あとは指数(べき)でまとめられます。


2. 反応速度の3倍則:「回数」を温度差から確定する

例:10℃上がるごとに反応速度が3倍

20℃→60℃に上げると、反応速度は何倍ですか?

ここで大事なのは、いきなり 3⁴ を書くことではなく、「4回」を温度差から作ることです。

  • 温度上昇:60−20=40℃
  • 10℃ごとに3倍 → 回数=40÷10=4回
  • したがって 3倍が4回3⁴=81倍

「指数」は、くり返しの省略記号

3⁴ は新しいルールではなく、単に

  • 3×3×3×3

を短く書いたものです。
「×3が何回か」を先に確定できれば、指数は“圧縮表記”として自然に出てきます。


3. 頭の中でやらない:温度軸と矢印で“回数”を可視化する

3倍則は、暗算で一気に処理しようとすると崩れやすい分野です。
そこで、次のように段階を図示して回数を見える化すると安定します。

  • 20→30→40→50→60 と区切る
  • 「10℃ごとに3倍」を、矢印ごとに1回として数える
  • 4本の矢印が見えれば、3⁴に迷いません

この「図示・段階計算」は、反応速度だけでなく、半減期にもそのまま効きます。


4. 反応速度“定数”k:濃度と混ぜない(ここがよく落とし穴)

反応速度の文章問題では、次のような誤解が頻出です。

「濃度が大きいほど反応速度定数kも大きい」

これは基本的に誤りです。
一定温度なら、kは温度で決まり、濃度とは別物として整理します。

  • 反応速度 v は濃度に影響されやすい(例:v=k[A]… の [A] 側)
  • しかし kそのものは、主に温度依存の値として扱う

「定数」という名前どおり、濃度と同じ棚に置かないのがコツです。


5. 半減期:割合を (1/2)ⁿ に直せば終わる

半減期の問題は、やることが実はかなり固定です。

  1. 与えられた割合を (1/2)ⁿ に直す
  2. n(半分が何回起きたか)を数える
  3. 半減期×n で時間(年数)にする

“よく出る割合”は、回数に変換して覚えると速い

  • 1/2 = (1/2)¹ → 1回
  • 1/4 = (1/2)² → 2回
  • 1/8 = (1/2)³ → 3回
  • 1/16= (1/2)⁴ → 4回

この対応が見えていると、式を作る前に勝負が決まります。


6. 炭素14(¹⁴C)で確認:8分の1=「半分が3回」

年代測定の典型例として、次がよく出ます。

遺跡の木片の¹⁴C存在比が、生きている植物の 8分の1 だった。何年前?

8分の1は

  • 1/8 = (1/2)³

なので、「半分」が3回起きたと読み取れます。
炭素14の半減期は 5730年なので、

  • 5730×3=17190年前

となります。


7. ¹⁴Cが「なぜ14なのか」も一度だけ整理しておく

炭素は原子番号6なので、陽子数は6です。
質量数14は「陽子+中性子」なので、

  • 中性子数=14−6=8

と求まります。

この整理は、放射性同位体の話題で「核の中で何が増えたのか」を見失わないための最小限の下準備になります。


8. それでも迷ったら:logを使う前に“回数”で粘る

半減期は、割合が 1/8 や 1/16 のように (1/2)ⁿ に直せる形なら、回数で勝てます。
log(対数)の操作は、割合が中途半端で「半分の回数」が整数にならないときにだけ必要になります(入試でも、まずは回数で処理できる形が多いです)。


典型的に崩れるポイント(先に潰すチェックリスト)

  • 温度差を見ずに、回数を感覚で決める
  • k(定数)と濃度を同じ棚に置いてしまう
  • 半減期で、割合を (1/2)ⁿ に直さず式に突っ込む

まとめ:2つの“翻訳”ができれば安定します

  • 倍率の翻訳:a倍がn回 → aⁿ
  • 半分の翻訳:割合 → (1/2)ⁿ に直して回数を数える

反応速度と半減期は、暗記の量ではなく、回数を読み取る技術で伸びる分野です。
「指数(べき)は、くり返しを短く書く道具」と捉えた瞬間から、問題が整って見えてきます。

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