メタディスクリプション:カルボン酸の分類・性質・合成を高校化学の教科書レベルから整理。酢酸など具体例を通じて酸性度や反応性を理解し、大学入試で頻出のポイントを図解で解説します。
この記事を読んでわかること
- カルボン酸の基本構造と種類を理解
- 酸性度の強弱と比較の基準を整理
- 第一級アルコールからの合成を説明できる
- 高い沸点・融点の理由を理解できる
- 入試での典型問題の考え方を習得
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導入
要約:カルボン酸は弱酸性で、特徴的な性質を示す。
「カルボン酸は塩酸より弱いのに、二酸化炭素より強い?」―そんな疑問を抱いたことはありませんか。
本記事では、カルボン酸の分類と性質を丁寧に整理し、合成から酸性度の比較まで、入試で迷わないための学び方を解説します。
カルボン酸の基本と分類
カルボン酸は「カルボキシ基(–COOH)」をもつ有機化合物の総称です。
カルボキシ基は「カルボニル基(C=O)」と「ヒドロキシ基(–OH)」が結合した構造に由来しています。
分類には次のような種類があります。
- 脂肪族モノカルボン酸(例:酢酸)
- ジカルボン酸(例:シュウ酸)
- ヒドロキシ酸(例:乳酸)
これらは有機化合物の官能基分類の中でも重要で、大学入試でも頻出のテーマです。
カルボン酸の合成
第一級アルコール → アルデヒド → カルボン酸
この流れが基本です。
例:エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸
入試では「酸化の段階をどこまで追うか」が問われやすいため、第一級アルコールは必ず最終的にカルボン酸まで到達することを押さえましょう。
カルボン酸の性質と酸性度
カルボン酸は水溶液中で弱酸性を示します。
比較の基準:
- 強酸(HClなど) > カルボン酸(酢酸など) > 炭酸(H2CO3)
さらに、カルボキシ基は分子間で強い水素結合を形成します。
そのため、分子量が同程度のアルコールやアルデヒドよりも融点・沸点が高くなるのが特徴です。
💡 今日の学び×思考のヒント
- カルボキシ基は「二つの官能基の融合」であることを意識する
- 酸の強弱を「比較対象」で説明できるようにする
- 反応式は必ず中和の形まで確認する
演習問題
📘 問題1
酢酸 0.1 mol/L 水溶液のpHを、Ka=1.8×10⁻⁵として求めよ。
解答の流れ
初期濃度 C=0.1
解離度 αを使って
Ka = Cα²
α = √(Ka/C) = √(1.8×10⁻⁵ / 0.1) ≒ 1.34×10⁻²
[H⁺] = Cα = 0.1×1.34×10⁻² = 1.34×10⁻³ mol/L
pH = –log[H⁺] ≒ 2.87
📘 問題2
次の物質を酸性の強い順に並べよ。
酢酸、塩酸、炭酸
解答
塩酸 > 酢酸 > 炭酸
理由:強酸はほぼ完全に電離、カルボン酸は弱酸、炭酸はそれよりさらに弱い。
まとめ
カルボン酸は
- カルボキシ基をもつ化合物で、分類と性質の整理が重要
- 合成は第一級アルコールからの酸化で到達
- 酸性度は「塩酸>カルボン酸>炭酸」の順で理解
- 水素結合による高い融点・沸点が特徴
入試頻出の単元なので、反応式と酸性度の比較を必ず説明できるように準備しておきましょう。
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